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2018.11.13 日本銅学会で論文賞を受賞

伊藤美優さん(左)

受賞者 理工学研究科修了生・伊藤美優さん
受賞日 2018/11/3
賞の名称 日本銅学会 第52回論文賞

 2018年3月に大学院理工学研究科博士前期課程を修了した伊藤美優さんの投稿論文が、2018年11月2~4日に東京理科大学野田キャンパスで開催された日本銅学会で第52回論文賞を受賞しました。11月3日に行われた第58回講演大会において、伊藤さんに表彰状が授与されました。

論文タイトル

国溶型鋼合金の伸び特性へ作用する転位キャラクターの解明

著者

伊藤 美優 (茨城大学)、 伊藤 優樹 (三菱マテリアル(株))、 小林 敬成 (三 菱伸鋼(株))、松永 裕隆、佐藤 (高野)こずえ (三菱マテリアル(株))、 牧 一誠 (三 菱伸鋼(株))、森 広行 (三菱マテリアル(株))、 鈴木 茂 (東北大学)、 佐藤 成男 (茨城大学)

概要

銅合金の機械特性として、強度および伸び特性が重要となる。両特性はミクロ組織に依存するため、ミクロ組織が特性へ作用するメカニズムを明らかにすることが特性向上に不可欠となる。特に、これら特性は転位運動に起因するため、転位密度や転位間相五十倒咽等の転位キャラクターの影響を調査する必要がある。転位キャラクターの定量的な評価法として、X線回折ラインプロファイル解析がある。本研究では異なる伸び特性を有する2種類の固溶強化型Cu-Mg合金において、引張変形に伴う転位キャラクターの変化を評価し、伸び特性に対する転位キャラクターの影響を調査した。その結果、伸びが大きい合金は、引張変形に伴う転位の増殖や再配列が顕著であり、また、結晶子が微細化することが明らかとなった。変形前の転位密度は両合金間にてほぼ等しい場合でも、伸び特性は変化し、その特性を支配する組織因子として転位間相互作用の強さや結晶子サイズが重要であることを明らかにした。さらに、X線回折ラインプロファイル解析より得られた転位キャラクターに基づき、引張変形前の転位組織モデルを推定した。伸びの大きい合金は小さい合金と比べ転位のセルインテリアが大きく、セルインテリアでの転位運動が活発となるため大きな伸びを示すと考えられる。

関連リンク

茨城大学量子ビーム組織解析研究室

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