学生・教職員の活躍
2024.6. 2 第74回自動車技術会 論文賞を受賞
東京工業大学佐藤准教授、田中光太郎教授
受賞者 | 大学院理工学研究科・カーボンリサイクルエネルギー研究センター長 田中光太郎教授/東京工業大学 佐藤准教授 |
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受賞日 | 2024/05/23 |
賞の名称 | 第74回自動車技術会論文賞 |
表彰者 | 日本自動車技術会 |
表彰内容 | 田中光太郎教授らが執筆した論文が第74回自動車技術会の「論文賞」を受賞しました。
論文タイトルは「Effects of Different Driving Behavior during Actual Road Driving on Ammonia Emissions from Gasoline Vehicles 」です。 ガソリン車に使用される三元触媒は、窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素を同時に浄化可能ですが、近年、三元触媒内で発生するアンモニアの排出が問題になっています。 本論文は、三元触媒を搭載した直噴ガソリン車と2種類の車載型排出ガス計測システムを用いて実路走行試験を行い、実路走行におけるアンモニア排出挙動、および運転挙動の違いがアンモニア排出に及ぼす影響を論じています。 冷間始動条件において、エンジン暖機完了前に一酸化炭素とアンモニアが時間差をもって排出され、そのアンモニア排出量が運転者の影響を受けずほぼ一定であること、暖機完了後のアンモニア排出量は運転者の加減速挙動の違いが支配的であることを明らかにしています。本論文は、今後低減が求められる実路走行条件におけるアンモニアの排出について、その排出要因と排出条件を明確にしており、高く評価されました。 |
コメント | 熱機関から排出される窒素酸化物の浄化システムからアンモニアが排出されています。アンモニアは毒性があり環境に有害なだけでなく、大気中で粒子を生成し、PM2.5の増加にも寄与することから、その排出削減が必要です。今後カーボンニュートラル燃料を用いた熱機関でも、窒素酸化物の浄化システムが用いられると想定されることからアンモニアが排出される可能性があります。さらに、アンモニアを今後、脱炭素燃料として燃料利用することも考えられており、二酸化炭素の排出削減に向けた対策が新たな大気環境問題を引き起こさないよう、今後もアンモニアの排出動向把握と削減手法の開発に向け、研究に精進してまいります。 |